さあ、旅にでかけましょうか
オオキンカメムシ

オオキンカメムシ

オレンジ地に黒の派手な虫が落ちていた

年が明けて間もなく、アスファルト上に朱色味のオレンジ色が目に飛び込んで来た。

大きかったので子供の玩具かと思ったが、黒い模様がある。
よく見ると虫だった。

死んでいたので持ち帰ってみたら、どうやらカメムシの仲間らしい。

横から見たところ。
体に厚みがある。

比較の為に一円玉と並べてみる。

ほらね、結構大きい。
体長は25㎜。

おしり側から見た甲の柄。

背中にハート?

翅のつなぎ目が無いと思ったら、小楯板(しょうじゅんばん・盾?)が大きく発達していて(普通の甲虫は前翅)お腹の上部を覆っているのだそうだ。

仰向けたらこんな感じ。
さらにアップにしてみよう。

口が吸汁するカメムシっぽい。
と言うかセミにも似ている。
カメムシ目だから別におかしくはないのだろうけど。

立て続けに虫嫌いの方にはごめんなさい。

でもね、お腹は特に斜めから見るとメタリックなピンクを基調に、紫・青・緑っぽく光って綺麗です。

うまくは写らないけれどね。

おしり側から。
同じキンカメムシの仲間には、もっとカラフルで綺麗な色のカメムシがいるそうだけど、死んでしまうと色が変わってしまうらしい。

胸の黒い丸が頭の黒い柄に付いていないから(間にオレンジの地色が入る)、この個体はメスと思われる。

越冬の為に暖かい地方までかなりの距離を渡るそうなので、またいつか出会えるといいのだが。

調べてみたら

カメムシ目 カメムシ亜科 キンカメムシ科 カメムシ亜科
オオキンカメムシ Eucorysses grandis

体長 19~25㎜
時期 5月~9月
分布 本州(関東地方以南)・四国・九州・沖縄

集団越冬と渡りをする熱帯系のカメムシ

食草はアブラギリ。
シナアブラギリが一本生えているのは確認しているが、キンカメムシが成長するにはむかないらしい。
候補としてセンダン・クチナシをあげている方がおられる様なので注視してみよう。

桐に似た落葉高木(中国原産)
桐油を取る為に栽培されていた。
和紙にしみ込ませて油紙や和傘に使っていたそうだ。
私の住んでいる地方では聞いたことが無いので、野生化したものだろう。

上から見たところ。

可哀そうだが、慣れない標本にしてみた。
食草のアブラギリの油が浸み出して松やにみたいにこびり付いてしまうらしい。
さて、どうなることやら。

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山背の消えゆく記憶をたどる会

京都府南部、山城地方を歩いています。ものすごい速さで失われていく沢山のものごと。一枚の写真、ほんの一文でも、いつか誰かの役に立ちます様に。

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